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意味深な絵をアップすると文字書きさんが文章をつけてくれるかもしれない
驚愕の余り言葉が出ず、ぱくぱくと唇を開閉する姿はさぞ滑稽に見えるだろう。
口元を隠して顔を伏せられたことを不安に感じるが、そのうちダニエルは肩を震わせ始める。ぶは、と吹き出すように笑いながら上げられた顔は眩く、大輪の花を思わせた。
ダブルベッド以外何も無い、豪奢な部屋。あたりに散らばる紙切れだけが逢瀬の残滓だった。
ひとり部屋に取り残されたレオナルドは、お似合いだと瞼を覆って嗤う。湿った手の甲には気が付かないフリをして。
手でフレームを作ると、まるで美しい絵画のようにさえ見える。そんなこと、あるはずがないのに。
「お待たせしました」
綺麗に撮れたんですよ。言われて液晶を覗き込むと確かに綺麗に撮れていた。けれども一人がいないだけで世界は色褪せて見えた。
「やめとけ」
覆い被さるように抱きしめるダニエルに触れた場所から鼓動が伝わってくる。その熱に思考がとかされ、レオナルドの眼は世界を取り戻す。
とくりとくり、と生を知らせる脈動を腕に抱きとめると辺りを照らしていた輝きは闇に消えていく。
全てを見通す眼にも見つけられない希望を求める少年は、夢の中で後悔に苛まれていた。膝上のレオナルドが夢に捕らわれ泣きそうな表情で魘されていることに眉を顰めると「この瞬間だけでも君の眼に映るものが幸福であれば」と瞼に口づけを落とした。
ずしりと重さを増した肩に目をやると少年は体を預けて寝息をたてている。その安心しきった寝顔に眦を下げ柔らかな髪に顔を寄せると、混じり気のない香りが鼻腔を蕩かす。それがあまりに心地よくて、少しだけ、心の内で呟き自らもそっと瞼を下ろした。
口元を隠して顔を伏せられたことを不安に感じるが、そのうちダニエルは肩を震わせ始める。ぶは、と吹き出すように笑いながら上げられた顔は眩く、大輪の花を思わせた。
ダブルベッド以外何も無い、豪奢な部屋。あたりに散らばる紙切れだけが逢瀬の残滓だった。
ひとり部屋に取り残されたレオナルドは、お似合いだと瞼を覆って嗤う。湿った手の甲には気が付かないフリをして。
手でフレームを作ると、まるで美しい絵画のようにさえ見える。そんなこと、あるはずがないのに。
「お待たせしました」
綺麗に撮れたんですよ。言われて液晶を覗き込むと確かに綺麗に撮れていた。けれども一人がいないだけで世界は色褪せて見えた。
「やめとけ」
覆い被さるように抱きしめるダニエルに触れた場所から鼓動が伝わってくる。その熱に思考がとかされ、レオナルドの眼は世界を取り戻す。
とくりとくり、と生を知らせる脈動を腕に抱きとめると辺りを照らしていた輝きは闇に消えていく。
全てを見通す眼にも見つけられない希望を求める少年は、夢の中で後悔に苛まれていた。膝上のレオナルドが夢に捕らわれ泣きそうな表情で魘されていることに眉を顰めると「この瞬間だけでも君の眼に映るものが幸福であれば」と瞼に口づけを落とした。
ずしりと重さを増した肩に目をやると少年は体を預けて寝息をたてている。その安心しきった寝顔に眦を下げ柔らかな髪に顔を寄せると、混じり気のない香りが鼻腔を蕩かす。それがあまりに心地よくて、少しだけ、心の内で呟き自らもそっと瞼を下ろした。
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